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Conceptual:シンプルなPHP製EXIF表示サービスEXIFviewerを公開

わけあって写真の位置情報なんかを弄るプログラムが必要になって、EXIFについて調べ直している。

調べ直しているというのは、以前に一度PHPにおけるEXIFの扱いなどについて調べていて、DamniPhoneEXIFという誰も得しないWEBサービスに応用したことがあるからだ。DamniPhoneEXIFはPHP標準のEXIFクラスを使わずに、PELというライブラリを使っている。PELを使わないとEXIFデータの書き込みが出来ないためであるが、初期のiPhone3Gで起こる位置情報の経度の東西が逆転するバグを解決するためだけのサービスとして作ったので、そこから色々な機能を建て増していくには不適当だった。それなら単純に標準のクラスでEXIF表示するサービスから作り直そう、ということでEXIFviewerを作った。

キモは、ユーザのローカルファイルを一旦HTML5のDataURLで受けているため、サーバに画像のコピーを作らずに画面リロード後の確認用画像の表示が出来ているというところ。これはOnlyCSViewでもやっていたことなので、詳しいやり方についてはOnlyCSViewの作成エントリを参照してほしい。

ところでEXIF形式って何?

EXIF形式というのは、JPEGやTIFFなどの画像ファイルに画像についての情報を付与してまとめたデータ形式だ。デジカメメーカーが主体となって、写真の撮影状況(撮影日、しぼり、感度、位置情報etc)のデータを画像に埋め込めるようにしたもの。正確に言うと、埋め込むわけではなく新たなファイル形式の大括りを作って、そこに画像の情報と当の画像ファイルをパッケージ化する。そのようにして出来たファイルの拡張子は.jpgや.tiffそのままなので、一見するとEXIFの情報が入ったファイルとの区別がつかない。かくして、デジカメユーザは知らず知らずに、EXIF形式のお世話になっている場合が多い。
ではどのように情報を格納するかというと、TIFF形式以来のファイル先頭へのタグ付けにより、情報を格納している。まずTIFFという名前が、(Tagged Image File Format)の略であり、この形式が登場したことにより、画像ファイルに画像の情報を入れられるようになった。JPEGファイルは同様のタグ付け形式のJFIFというフォーマットをほぼ標準としており、このJFIFをもっと大げさにしたものがEXIFというわけだ。

EXIF形式の構造 ざっくばらんに

つまり、EXIFはTIFFの落とし子だ。ファイルのバイナリデータの一番最初には、TIFFヘッダと呼ばれる8バイトのデータがある。この8バイトのデータのうち4バイトは、次のまとまりへの参照(ファイルの頭からの距離)を格納している。このように、ひとまとまりの情報の中に、他のまとまりの場所情報をセットで含んでいるのが、TIFF形式の特徴だ。
EXIFにどんなまとまりがあるかというと、IFD(Image File Directory)という名前のまとまりがあり、そのまとまりの中にさらに複数の情報がぎっしり詰まっている。
IFDの中にはEXIF IFDというものや、GPS IFDというものがあり、EXIF情報をいただきたい場合この場所にアクセスして情報を見る必要があるわけです。ややこしいね。

PHPのEXIFクラスでのアクセス

先程紹介したPelでは、イメージファイルをコンストラクタに与えて、ゲッターメソッドで一つ一つのまとまりの鍵を開けてアクセスしなければならない。DamniPhoneEXIFでGPSの東西を変えるだけでも、こんなに入れ子のプログラムができてしまった。

<?php
require_once('PelJpeg.php');
if(!empty($_POST["path"])){
$pj = new PelJpeg($_POST["path"]);
if($pjexif = $pj->getExif()){
if($pjtiff = $pjexif->getTiff()){
if($pjifd = $pjtiff->getIfd()){
if($pjgps = $pjifd->getSubIfd(PelIfd::GPS)){
if($gpsarray = $pjgps->getEntries()){
if(isset($gpsarray[3]) && isset($gpsarray[4])){
if(($gpsarray[4]->getText()) == "W"){
$gpsarray[3]->setText("E");
echo "converted west to east.<br>";
}
else if(($gpsarray[3]->getText()) == "E"){
$gpsarray[3]->setValue("W");
echo "converted east to west.<br>";
}
}
}
}
}
}
}
}
?>

PHPのexif_read_data関数では、引数にまず欲しいデータより上位のまとまりを指定して、ごっそりまとまりを取得した後には、foreachや添字でアクセスできる。

exif_read_data(ファイル名,
セクション名(省略化、複数の場合カンマ区切り),
配列で取得するかフラグ(省略可、デフォルトfalse,
サムネイル取るかフラグ(省略化、デフォルトfalse)

とりあえず今回のヴァージョンでは全部表に吐き出してしまっている。

<?php
if(!empty($_POST["path"])){
if($exif = exif_read_data($_POST["path"],NULL,true)){
echo "<table class='exiftable table table-striped'><thead><tr><th>キー名</th><th>値</th></tr></thead><tbody>";
foreach ($exif as $key => $section) {
    foreach ($section as $name => $val) {
	if(is_array($val)){
	foreach ($val as $valname => $vval) {
	echo "<tr><td>$key $name $valname</td><td>$vval</td></tr>";
	}
	} else {
	echo "<tr><td>$key $name</td><td>$val</td></tr>";
	}
    }
}
echo "</tbody></table>";
} else {
echo "画像のEXIFデータが見つかりませんでした。";
}
} else {
echo "画像をセットして下さい。";
}
?>

php.netの説明によると、exif_read_data関数の第一引数にはURL形式は与えられないとのこと。けれども試してみたら、普通に外部サイトの画像URLを与えても表示できた。そこで、$_POST[“path”]にはDataURLを与えることにする。画像のセットで起動して、jQueryでフィールドにエンコードしたURLを入れておくだけ。

外部サイトの画像URLが参照できるというのは面白いので、サービスとして機能を増やせる余地がありそうだ。浮気のアリバイ調査に使えますね。