WordPressはそのアップデートの歴史の中で、まさにアップトゥデートな技術を取り込み成長してきました。現在のヴァージョン3.5+Twenty Twelveでの売りはレスポンシブデザインですし、Twenty ElevenではHTML5対応という飛躍がありました。
さて、そうなると過去からずっとWordPressを使い続け、記事を投稿している人間にとっては、過去の投稿資産がアップデートで価値を失ってしまわないかと不安になります。何しろ新技術が過去の資産をラッピングして表示するわけで、何かしらの不具合になってもおかしくありません。
そうしたアップデートに伴い発生する不具合(不都合)の例を挙げましょう。Twenty ElevenでのHTML5対応により、HTML5の大きな特徴であるセクショニング・コンテンツの宣言と、セクション宣言の直後の見出しレベルh1からの使用が可能になりました。
それまで、Twenty Tenおよび他のHTML5未対応テーマでは、投稿記事のタイトルが<h2>から始まっていたため、あえて記事中で見出しをつける際には<h3>タグをルートレベルとせざるを得ませんでした。
ところがHTML5ではセクショニング・コンテンツの開始を宣言すれば、文書中のどの場所でも<h1>タグからの階層構造にする事ができます。そして、Twenty Eleven以降の標準テーマでは、投稿記事を<article>タグで囲んでセクショニングコンテンツとするとともに、記事タイトルを<h1>としているのです。
そこで、Twenty Eleven以降のテーマで過去の記事を表示すると、記事タイトルの<h1>タグの下に”空気を読んで”<h3>に揃えておいた見出しタグが来てしまいます。<h2>タグのない、崩れた構造になってしまいます。
WordPressの売りは、テーマの自由自在な変更に代表される、深く考えなくても良いカスタマイズ性だったはずですが、HTML5へのステップアップを挟む事で、記事本文のテーマからの独立性が保証されなくなったと言えます。いまや、そのテーマが記事でどの見出しタグをルートとしているかあらかじめ知っていないと、無闇にテーマを変更する事ができなくなっているのです。
何が言いたいのかというと、投稿記事の見出しを<h3>タグで始める、手癖がついてしまっているのですよね。困った。
こうしたステップアップを挟んだからか、WordPressのテーマプレビュー(Lorem ipsum…)でサンプル文章中に<h1>、<h2>タグも含まれているのですが、特にこれにスタイルを設定していないテーマもよく見かけます。
誰に腹を立てたら良いのか、怒りのやりどころもわからぬままポチポチ過去記事を修正です
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