カテゴリー別アーカイブ: cPanel

cPanelファイルマネージャに対するいくつかの不満点

以前の紹介記事で、cPanelのファイルマネージャはオフライン環境を一掃できるような多機能なアプリケーションだと書きました。しかしながら、使い込んでいくと判る不便なところもあります。今回は一般的なオフラインアプリケーションと比較して、cPanelが劣っている点について書いてみようと思います。

まずはFTPクライアントの代わりとなる、ファイルマネージャの主要部分についてですが、以下のような不満点があります。

  • 同じディレクトリに同じファイル名のファイルを作成しようとしたとき、代替案を出してくれない
  • ローカル環境からのファイルのドラッグ&ドロップに対応していない

まず上の項目についてはなかなか根深い問題のようで、この仕様に関連しているだろうと思われる不具合がたくさんあります。同名の新規ファイルが作れないことの他、同じディレクトリ内に既存ファイルのコピーが作れない(オフラインのFTPクライアントであれば、大抵は既存のファイル名の後ろに数字や文字列をつけた新しいファイルを作ってくれる)、はては別ディレクトリから同名のファイルを移動してくると、勝手に既存ファイルを上書きしてしまうなどの問題が発生します。これではうっかり操作ミスなどをしてしまった場合は一巻の終わりです。

下の項目も非常に不便な仕様で、ローカルのファイルをアップロードする場合面倒くさいだけではなく、フォルダを丸ごとアップする場合に、一度圧縮などで1ファイルに纏めた上でアップローダを使って上げなければならないという制約がつきます(まあ、アップローダと圧縮・解凍ツールは標準でついていますが)。

次に、付属のエディタであるHTML editor/Code editorですが、以下の点が不十分に感じられます。

  • 拡張子が.htmlでないとHTML editorが立ち上がってくれない
  • 指定文字コードでうまく開いてくれない場合がある。開き直さなければならない

前者は拡張子.tplのテンプレートファイルや、phpコードを含んだhtmlファイル(拡張子.php)をエディットする時に不便です。拡張子に関わらず両方のエディタを選択できるようにしなかったのは、どうにも不可解な仕様に思えます。

以上、総括するならば、オフラインのアプリケーションと比べてかなり大味な作りになっているということが言えると思います。オフラインのアプリケーションであれば、環境設定パネルなどでアプリケーションの挙動をかなり変えられるのが普通ですが、このファイルマネージャのsettingメニューには、文字コードについての確認ダイアログを出すか出さないかの一項目しか存在しませんでした。つまり、オフラインアプリケーションの代わりにファイルマネージャを使うためには、相応の忍耐強さと、アプリケーションの挙動についてある程度予測できる洞察力が必要なのかもしれません。

今回は悪い点ばかりを列挙しました。前回便利な点ばかり挙げたエントリと合わせて、サイト作成環境選びの判断材料に使ってもらえれば幸いです。


cPanelの多機能なファイルマネージャ

サーバ管理ソフトウェアcPanelには、標準で多機能なファイルマネージャが付属しています。

このスクリーンショットで大体何ができるかの説明は済んでしまっているような気がしますが、あえて機能を箇条書きにしてみます。

  • ファイルのアップロード・ダウンロード
  • 新規ディレクトリ、ファイルの作成
  • コピーや移動、名前の変更などのファイル操作
  • ファイルの圧縮・解凍
  • アクセス権の変更
  • コード/HTMLエディタ

このような機能があります。つまり基本的にFTPクライアントでできることがオンラインでできるようになるため、サイト作成のために別途FTPクライアントを用意する必要がありません。

また、最後に挙げたコード/HTMLエディタは出来の良いシェアウェア程度の機能を備えているため、サイト作成の中心的なツールとなり得るポテンシャルがあります。以下にスクリーンショットを何点か用意しました。

左の2点(それぞれcss、phpを編集しています)のスクリーンショットで立ち上がっているのは、code editorというアプリケーションです。一方右の2点は拡張子が.htmlのファイルのときに選択できるHTML editorです。
コードビュー、デザインビューといったHTMLエディタではおなじみの機能も備えています。

さて、こうしたFTP機能と強力なエディタをcPanelは標準搭載しているわけですが、そうなればcPanelを採用したサーバでサイト作成をする場合、従来の作成手順、”ローカルで作成したファイルをサーバにアップロードする”を踏襲することなく、完全にオンラインの作業でまかなえてしまえることになります。この方法ではローカル環境とリモート環境で気付かぬうちに複数の版ができてしまうという問題を解決できるばかりでなく、GoogleDocsのような、自宅、職場、ネットカフェなどの環境を問わず作業ができるという恩恵も受けられます。

ということで、サイトAの作成にはこのcPanelの環境を用いてみることにしました。使い込んでいくうちに足りない部分や不具合などが明らかになってくると思うので、それはその都度このブログで報告していきたいと思っています。

(2012.6追記:サイトの一時閉鎖の影響で、スクリーンショット画像が無しの状態になっています。想像を掻き立ててください)


cPanelについて

契約前は全く知らなかったのですが、WebhostingPadはサーバ管理ソフトウェアのcPanelを採用したサーバでした。契約手続きが完了するとこのcPanelのアカウントが発行され、以降は各種設定変更もこのソフトウェア上で行うようになっています。個人的にとても使い易いと感じたので、少しだけこのソフトウェアについて調べてみました。

まずサーバ管理ソフトウェアの役割についてですが、サーバ管理のために必要な各種コマンドを、コマンドラインでの操作ではなく直感的なインターフェースで行えるというメリットを管理者側に提供します。のみならずcPanelなどのソフトウェアはサーバ利用者側からの変更手続きにもわかり易いインターフェースを提供します。ちょうどwindowsのコントロールパネル、MacOSXのシステム環境設定パネルのような外観になっています。

利用者がいじることを許可された設定項目は、この画面にアイコンとして現れます。

コントロールパネルをもったサーバ管理ソフトウェアとしては他に、Plesk、Webminなどがメジャーなようです。日本のレンタルサーバでは設定画面を自前で用意している場合が多いのに対し、海外サーバではこうしたサーバ管理ソフトウェアを導入し、設定画面の使用方法についてはwebの解説をあたってくれという態度のサーバが多いようです。サーバ側としては人的ソースの節約になりますし、ユーザ側としては操作に一度慣れてしまえば、サーバを移転した際にも操作に戸惑わずに済むという利点もあります。

さて、以上サーバ管理ソフトウェアの概観でしたが、cPanelがサーバ管理ソフトウェアの選択肢としてどうかということに関しては、比較を行ったわけでも管理者として導入してみたわけでもないので言及ができません。あくまでこうしたソフトウェアに触れるのがはじめての利用者側の人間として、以下の機能がついているのが特に便利だと感じました。

  • サイトのバックアップ機能
  • ファイルマネージャ(GUIのFTPソフトのような外観)で書類を選択し、直接編集もできる
  • アクセス統計
  • ディレクトリにパスワードをかけたり特定のIPからのアクセス拒否が手間なくできる
  • サブドメインの追加

この他にも機能がたくさんありそうです。ちなみにcPanelは多言語対応でもあり、説明やシステムメッセージの言語として日本語を選ぶこともできます。90点くらいの日本語なので、90点あれば十分と感じる人にはここも訴求ポイントになると思います。

以上がcPanelについてでした。個人的によく使う機能の解説は以降のエントリでも行っていきたいと思っています。