WordPressテーマMystiqueの実力

WordPress解説の後編で言及したように、WordPressテーマの中には見た目やページ構成の変更のみならず、ウィジェットやプラグイン機能をもパッケージの中に内包する大規模なものがあります。このブログで採用しているMystiqueというテーマもそうした総合的なパッケージであり、一度使い慣れてしまうと他のテーマへ移行するのが億劫になってしまう程機能が多岐にわたります。折角なのでさらりと紹介させていただきましょう。

まずテーマの基本的な情報です。ルーマニアのdigitalnatureというデヴェロッパーによって開発されているこのテーマは、2009年に最初のヴァージョンが出た後、2.x系から3.x系で一度互換性の無いメジャーアップデートをしています。現在はこの2.x系の系譜のlightヴァージョンと、3.x以降のbasicヴァージョンというラインナップを有しており、basicヴァージョンはダッシュボードのテーマ検索でヒットしない為、オフィシャルページからダウンロードして手動でインストールしなければなりません。昔からのユーザでも、未だに3.x系の存在を知らず2.x系のアップデートを待ち続けているという人が結構いるのではないかと思います。
このテーマの初期からの特徴は、見ての通り少しオタクっぽいデザインとjavascriptを利用したインタラクティブなメニューウィジェットです。当ブログのウィジェットエリアにある黒背景のウィジェットは、実はTabbed WidgetというMystiqueテーマ固有のウィジェットです。これがあることにより、ウィジェットエリアに幾つもウィジェットを並べてスペースを消費することを避けられるというわけで、デザイン上の恩恵は多大です。
3.x系では、このTabbed Widgetの設定もドラッグ&ドロップでするようになり、タブ化できるウィジェットの選択肢が増えた一方で、初心者がその存在に気付きにくくなりました。設定中のスクリーンショットを撮っておきましたので、導入時の参考にしてみて下さい。

Tabbed Widgetその1

まずArbitaryウィジェットエリアに投げ込む


Tabbed Widgetその2

Tabbed Widgetウィジェットの設定項目として登場するので、チェックボックスで有効化

その他、ひととおり他の人気テーマでできることは抑えています。画像をクリックした時のLightBox的挙動、投稿画像のサムネイル化、写真ギャラリー機能、ソーシャルメディア対応、コメントのレーティングなど。また、さすがにメジャーアップデートで前ヴァージョンからの設定引き継ぎができなかった事は問題と認識していたのか、テーマの設定を独自フォーマットでインポート/エクスポートする機能が追加されています。

テーマ設定の吐き出し/読み込み

このような強力な機能を備えたテーマであるが故、ここまで技術力があるならもうWordPress作っちゃえばいいよという感もあるのですが、実は作っているらしいです(笑)。公式ホームページによれば、テーマのアップデート頻度が減少したのはWordPressクローンを作っているからとの事。かつてのWordPressで可能だったように、データベースにMySQL以外を指定できるようにするらしいです。その他、モジュールとプラグインの一本化などなど。
個人プログラマのこのプロジェクトが、将来的にWordPressを淘汰するまでに至ったら面白いですね。Movable Typeとのシェア転換がそうであったように、OSSは一見些細な切っ掛けから勢力図のドラマティックな転換もあり得る筈です。

(2012.6追記:現在一時的にテーマを外しています。)


WordPressテーマMystiqueの実力」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: Twenty Elenvenテーマで、個別記事にサイドバーを表示したときのレイアウト崩れ対策 | AkisiのWEB制作日記

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