カテゴリー別アーカイブ: 汎用テク覚え書き

overflow:hiddenとページ内リンク同時使用による不具合

以前、floatを使った要素の回り込みを実現する際のおまじないとして、overflow:hiddenを紹介しました。clearfixテクニックを使う方法と比べると手軽で、表示上の不具合に対し応急処置となるケースが多いものですから、私のような横着者はとりあえずどの要素にもoverflow:hiddenを適用しておくよう習慣づいてしまっています。

ただ、この手軽な方法にも落とし穴があります。overflow:hiddenを使った要素内で、URLの末尾に#idという形でパラメータを付与し辿るページ内リンクが行われた場合、当の要素が他の要素の下に潜り込んでしまうといった表示不具合が起こる場合があるのです。この不具合は、overflow:hiddenとページ内リンクの組み合わせで必ず発生する不具合というわけでもないため、長くWEB制作に携わりながら、一度もこうした現象に見舞われたことがない、したがって急にそうした不具合に当たって足下を掬われるといったケースがあり得るかもしれません。

対処法はとりあえず、ページ内リンクをあきらめるかoverflow:hiddenをあきらめるかといった、敗北主義的なものしかありません。幸いfloatの回り込み指定の実現方法はoverflow:hiddenだけではありませんし、ページ内リンクについてはJavaScriptを使ったページ内スクロールに変更して衝突を避けることもできます。ページ内スクロールの実現には、こちらのサイトsmoothScroll.jsなどが便利です。

この不具合はほとんどのブラウザで共通して発生してくれる優れた不具合なのが幸いですね。仕様的なものなので、あるバージョンから突然修正が入り対処を行った部分の労力が無駄になることもありません。


Internet Explorerのみscriptが動かない→console.logの置き忘れを疑え

JavaScriptの便利なデバッグ手段、console.logについて以前のエントリで紹介しました。この命令は特にWebKitブラウザやFirefoxとの相性が良く、変数の中身の確認のためついつい頼りがちです。しかしながら、作成完了したページにこの命令を残したままにしておき、いざクライアントのPCでチェックを行うと、scriptが全く動作せずに恥をかく危険性があります。というのも、Internet Explorerはこの命令をデフォルトでは解釈せず、scriptを止めてしまうからです。

Internet Explorerの場合には、F12で起動する開発ツールが有効になっている場合に初めてconsoleオブジェクトが作成されます。したがって原因がconsoleオブジェクトにあることに気付かなければ、検証のため開発ツールウィンドウを開いた際には作動ということで、症状の発生が不規則→通信の問題ではないか、などとどんどん疑いの対象が広がり収拾がつかなくなります。実は私がこの問題に嵌ったときには、問題の発生したページがAjaxをフルに使ったものであったため、原因の所在が非同期通信の実行順序かIEのJavaScript実行速度の問題かなどと、いつもながらの遠回りに時間を取られてしまいました。

そこで教訓ですが、Internet Explorerだけ動かないという場合には真っ先にconsole.logを疑う。以前のエントリで挙げましたが、Firefoxだけ動かない時には宣言部、ヘッダ部を疑う。とりあえずこのように記憶しておきましょう。


さらっと理解しておきたいjQueryオブジェクト(後編)

前編からひっぱります。

JavaScriptのオブジェクトについて、組み込みオブジェクト、ブラウザオブジェクト、DOMオブジェクトの三項目について説明しましたが、これらのオブジェクトではピリオドで何個もの処理を繋ぐメソッドチェーンの書式が使えません。なぜならメソッドが返す返り値が文字列や数値などバラバラな型であるからで、それは手続き型プログラミング言語のメソッドとして何ら不思議なことではありません。

ただ、HTML文書の要素を対象とした操作をする場合、一度処理を行った要素に連続して処理を与えるというケースが非常に多く、その度に要素の検索を行うのがかなりのオーバーヘッドとなります。そこで、メソッドの結果がまたオブジェクトを参照することで連続して処理を与えることのできるメソッドチェーンの実現に意味があるのです。

jQueryの要素の多くは、自身jQueryオブジェクトである上に、処理の返り値としてもjQueryオブジェクトを返します。ではjQueryオブジェクトとは何かというと、セレクタにより検索、ヒットしたDOM要素の集合を、多数の便利なメソッドの定義されたオブジェクトでラップしている状態です。console.logなどでオブジェクトの中身を確認してみると、単なる文字列として格納されたHTML要素と、ずらりと並んだプロパティ、メソッドがあることがわかります。これらのセットがjQueryオブジェクトです。

メソッドチェーンの終端で、jQueryオブジェクトのメソッドでない、通常のDOMオブジェクトのメソッドを使いたい場合はどうすれば良いでしょうか。たとえば前編で出した動かないプログラムの例ですが、jQueryオブジェクトの正体を知っていれば、このようなアクセスが可能であると予想が立ちますね。

$(".fadeinout")[0].innerHTML = "Hi!";

このように、呪文のようなjQueryと言えども仕組みがわかれば何ということも無いのです。これはjQueryのセレクタエンジンにも言えることなのですが、それはまたいずれかの機会に記事にします。


さらっと理解しておきたいjQueryオブジェクト(前編)

CSSコーダにとって、サイトを動的にしたい時の救世主となるjQuery。CSSセレクタで要素を選択し、あとはメソッドの書式に従っていくつかの呪文を唱えるだけで、簡単にアニメーションや文書構造の変更ができます。たとえば、サイト訪問時にclass=”fadein”とした全要素をフェードインする場合、以下のようなソースで事足ります。

<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Transitional//EN" "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-transitional.dtd">
<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xml:lang="ja" lang="ja" dir="ltr">
<head>
//meta宣言とtitleは省略
//jQueryのインポート(Google CDN)
<script src="https://ajax.googleapis.com/ajax/libs/jquery/1.7.2/jquery.min.js"></script>
<script>
$(function(){
$(".fadein").fadeIn();
//要素がフェードイン
});
</script>
</head>
//省略

もちろん$(“#main ul li”)のような指定にも対応していますので、解説サイトのサンプルをコピーして、セレクタ部分を変更するだけで好きな要素に処理を適用できます。
また、同じ要素に対して複数の処理を連続して適用する場合には、処理を順番にピリオドで繋いでいけばよいという特性も直感的です。メソッドチェーンと呼ばれるこの書き方を頭に入れておけば、JavaScriptについてほとんど知識が無くても、処理部分に手を加えることができます。

$(".fadeinout").fadeIn().fadeOut();
//フェードイン後フェードアウト

こうした直感的な文法をもつjQueryですが、本当に直感のままの記述を行っていると、ときどき反逆します(笑)。メソッドチェーンが有効にならず、途方に暮れてしまいます。たとえば次のような例です。

$(".fadeinout").attr("class").appendTo("#classname");
//クラス名を取り出し、classnameというidの領域に表示したい
//動きません

あるいは、JavaScriptについて少し知識のある人間が、jQueryもJavaScriptだからとチャンポンな書き方をして反逆されることもあります。

$(".fadeinout").innerHTML = "Hi!";
//動きません

何故こういったことが起こるのか、結論から言いますと、jQueryは独自メソッドをもつjQueryオブジェクトというオブジェクト形式を扱う為で、メソッドチェーンなどもメソッドの返り値がこのjQueryオブジェクトである為に実現しているのです。

jQueryオブジェクトを知る為に、JavaScriptのオブジェクトの種類について整理してみましょう。

組み込みオブジェクト 〜素のJavaScriptが持つオブジェクト

JavaScriptというと、WEBページを動的にする手段としてWEBと切っても切り離せない言語であると思われがちですが、実際のところ素のJavaScriptがそういった機能を有しているわけではありません。ブラウザ以外のJavaScript実行環境で、document.writeIn()などと命令しても、JavaScriptはそれがどういう命令なのか理解する事ができません。
それでは素のJavaScriptはどのような要求に応えるのかというと、数値や文字列の演算であったり、メモリへのアクセスであったりと、プログラミング言語の基本的な処理です。
しかしながら、素のJavaScriptにもオブジェクトやメソッドといった概念があり、既に組み込み済みのオブジェクトもあります。たとえばStringオブジェクトは文字列を操作するメソッドを提供するオブジェクトで、このオブジェクトは特に宣言をしなくても、文字列データに対して自動的に呼び出すことができるようになっています。

var movie = "演歌の花道";
var titlelength = movie.length;
//titlelengthの値は5

この例では変数movieに入った文字列をStringオブジェクトで自動的にラップしているため、Stringオブジェクトのlengthメソッドを使う事ができています。他にも組み込みオブジェクトとして、NumberやArrayなどがあります。

ブラウザオブジェクト 〜ブラウザメーカーによる勝手実装のオブジェクト

JavaScriptがWEBページを処理の対象として認識できるのは、WEBブラウザがJavaScriptのオブジェクトとしてページを定義し、処理の為のメソッドを提供しているからです。具体的にはページはWindowオブジェクトとして定義され、Windowオブジェクトの直下にdocument、location、navigatorなどのプロパティがあり、これらもまたオブジェクトとして定義され、メソッドが提供されているといった構造です。そして基本的にこのWindowオブジェクトは省略して書く事ができるため、おなじみのdocument.writeIn()という表記になっているわけです。
ちなみにWindowオブジェクト自体のメソッドとしては、setTimeOutなどのタイマー系やalertなどのウィンドウ表示系があります。これらは確かにdocument.alert()のようには書きませんね。

documentオブジェクトは下位にforms、images、anchorsといったオブジェクトを持ち、これらのオブジェクトはページ中のフォーム要素、イメージ、アンカー全てを配列に格納してくれているので、name属性やインデックスで個々の要素を取り出す事ができます。

var formvalue = document.フォーム名.要素名.value;
var formvalue = document.forms[インデックス].elements[インデックス].value;
var imagesource = document.イメージ名.src;

このように基本的なオブジェクトモデルをベンダーが定義してくれているおかげで、JavaScriptがWEB制作の言語として特待的なポジションを得ているわけです。ただ、ブラウザオブジェクトはIEとNetscapeのブラウザ戦争の過程で、独自仕様を実装しよう(そして囲い込みを行おう)という目論見のもとにルール無用に拡張されていった背景があります。そこで、そうした勝手実装でなくどのブラウザでも共通した記述が可能になるようなオブジェクトモデルが求められるに至りました。

DOMオブジェクト 〜XMLの汎用的な操作モデルを導入したオブジェクト

DOMとはDocument Object Modelの略で、HTMLの親戚であるXMLを操作するための汎用モデルです。ブラウザオブジェクトの勝手実装による混乱に収拾をつけるため、W3Cはこのモデルをベースにしたオブジェクトやメソッドを定義し、勧告としました。
DOMオブジェクトは文書中のhtmlタグとその属性、テキストなどに対応し、メソッドやプロパティを持ちます。また各タグへのアクセス方法として、タグ名、id、クラス名での検索メソッドを提供しています。これらはブラウザオブジェクトのdocumentオブジェクトをhtml文書の最上位の要素<html>の参照というかたちで実装されているので、これまでのブラウザオブジェクトのスクリプトと併存して使う事ができます。

document.getElementById("target").value = 1;
//idをもとに要素をオブジェクトとして取得するgetElementByIdメソッド
 
var element = document.lastChild;
//要素の親子関係(子要素を内包する親要素)をもとに要素を取得
 
element.setAttribute("id","idname");
//要素に属性を付加

今回はjQueryオブジェクトの説明まで辿り着かなかったので、次回に続きます。


Twenty Elevenテーマで、個別記事にサイドバーを表示したときのレイアウト崩れ対策

以前このブログでは、digitalnatureのMystiqueというWordPressテーマを導入し、デザイン部分についてはほぼデフォルトのまま使用していました。何しろ優秀なテーマで、機能も多く、特に他のテーマに乗り換える動機も無かったのですが、000webhostのテロルによってブログを強制削除された事件の後は、これを機に自作テーマ開発でも行おうかという目論見もありWordPress標準テーマであるTwenty Elevenを暫定的に使い続けていました。

このTwenty Elevenテーマですが、デフォルトの設定だと各記事ページ、固定ページにサイドバーが表示されないため、不便です。自作テーマ移行まで過渡期的な利用だと割り切っていたため対策も行わなかったのですが、容易に設定ができるようなので実験がてら設定してみました。

固定ページへのサイドバー追加

固定ページへのサイドバー追加は非常に簡単です。

固定ページへのサイドバー追加

固定ページへのサイドバー追加

投稿画面のページ属性で、Sidebar Templateを選択するだけです。

各記事ページへのへのサイドバー追加

各記事ページへサイドバーを追加するには、実際にTwenty Elevenのソースに手を加えなければなりません。とは言え、失敗するリスクやヴァージョンアップ時に変更がリセットされてしまう危険性を避ける為に、以前紹介記事を書いた子テーマを利用しましょう。

記事の中での説明にあるように、カスタムスタイルシートについては、子テーマの中で親テーマのstyle.cssを呼び出す処理が書けました。追加の部分についてはCSSの後着優先という性質を利用して上書きをしましたね。一方、××.phpのような処理を書くファイルについては、処理の順序の問題もあり、子テーマのファイル中で親テーマのファイルを呼び出すというのは難儀です。そのため、カスタム処理を書きたいファイルを子テーマのフォルダ内にコピーし、そのファイルに処理を追加するという形になります。子テーマに同名のファイルが見つかると、親テーマのファイルは参照されません。

さて子テーマの作成、有効化までは完了したものとして、サイドバーを呼び出す処理を書きます。各記事ページにアクセスする時に呼び出されるのは、Twenty Elevenのテーマフォルダの中にある、single.phpです。WordPressではテンプレートエンジンのごとく、HTMLを断片的に吐き出してページを完成させています。つまりサイドバー部分の断片を吐き出す命令を、しかるべき位置で呼び出してやれば良いわけです。

//子テーマにコピーしたsingle.php
<?php
/**
 * The Template for displaying all single posts.
 *
 * @package WordPress
 * @subpackage Twenty_Eleven
 * @since Twenty Eleven 1.0
 */
 
get_header(); ?>
<div id="primary">
<div id="content" role="main">
<?php while ( have_posts() ) : the_post(); ?>
 
/* 中略 ちなみにこの部分で記事を取得、表示しています */
 
<?php endwhile; // end of the loop. ?>
</div><!-- #content -->
</div><!-- #primary -->

//ここにこの一文を追加します。
 
<?php get_sidebar(); ?>
 
//追加部分終わり
 
<?php get_footer(); ?>

get_sidebarという命令がそのまま、サイドバーを取ってくる処理です。フッターを呼び出す、get_footerの前で呼びましょう。これをsingle.phpという名前で子テーマフォルダに保存すると、個別ページの表示がこのようになります。

サイド?バー

サイド?バー

ご覧のように、コメント投稿欄の下にサイドバー部分がはみ出てしまいます。新しくサイドバーを表示するようにしたため、個別記事ページで呼び出されるCSSも調整する必要があります。子テーマのstyle.cssに、以下の内容を追加して下さい。

.singular #primary{
float: left;
	margin: 0 -26.4% 0 0;
	width: 100%;
}
 
.singular #content,
.left-sidebar.singular #content {
	position: relative;
margin: 0 34% 0 7.6%;
	width: 58.4%;
}
 
.singular .entry-header,
.singular .entry-content,
.singular footer.entry-meta,
.singular #comments-title {
	margin: 0 auto;
	width: auto;
}

個別記事ページでは、記事が表示されるエリアに.singularというクラスによる限定が付いており、通常の記事エリアのidである#primary、#contentの指定より優先されています。したがって基本的には#primary、#contentの指定をそのまま.singularで限定されたセレクタの宣言にもってきて上書きすれば良いのです。

子テーマでの宣言が有効に

子テーマでの宣言が有効に

ちなみに、追加部分の最後、.singular .entry-header以下略の部分は、コメント投稿欄の幅などを指定しています。親テーマのstyle.cssそのままだと、サイドバー抜きの場合の表示幅を基準にサイズを合わせるので、不格好になってしまいます。そこで、widthをautoに指定し直しています。

面倒だという方に…

以上がサイドバー表示の手順ですが、ここまで手を入れるのは面倒だという人の為に、Twenty Elevenにサイドバーを追加するニッチなプラグインがいくつかあります。Twenty Eleven Theme Extensionsが有名ですね。

Twenty Twelveではもう少し融通が利くようになってほしいものです。


Safari、Chromeで動くJavaScriptがFirefoxで動かない→宣言部、ヘッダ部を疑いましょう

JavaScriptが満載のWEBページを制作していて、ページの一部の機能がSafari、Chromeでチェックした際には動作するのに、Firefoxでは全く動作しないという状況に遭遇しました。
具体的には、ナビゲーションボタンのマウスホバー時の挙動として、透明度の指定をjQueryで行った箇所と、画像のLightBox的挙動のためjQuery.lightboxを使った箇所です。

マウスホバーの部分については、ホバー状態が終了する際に、FirebugのコンソールにremoveAttribute is not a functionというエラーが表示されます。lightboxのエラーは、画像が拡大表示された後ページに戻る事ができず背景が暗いままという不具合で、こちらは特にコンソールに表示はありません。

これはjQueryの動作に問題があるのだろうとあたりをつけ、様々な手段を使ってチェックを行いました。

ホバー部分のコードについては、以下のようなものでした。

<script>
$(function(){
$(".hover").hover(
function(){
$(this).fadeTo(0,0.5);
},function(){
$(this).fadeTo(0,1.0);
});
</script>

hoverメソッドは引数に関数を二つ取り、それぞれホバー時と終了時の処理を書く事ができます。処理の部分で、fadeToではなくcssメソッドを使ってopacityを指定するも動作せず。しかしながら、cssメソッドでwidthなどの他の値を指定する場合は動作します。つまり透明度関係の指定が上手く行っていないということが予想できます。
そこでブラウザのopacityの実装の違いではないかと考え、Firefoxについてのリファレンスを漁ったり、懐かしの-moz-opacityを引っ張り出してきたりと、色々と試みるも挙動が変わる事はありません。
次にプラグイン同士の相性を疑い、抜き差し抜き差しするも効果なし。jQueryのファイル名やヴァージョンの変更を行うも駄目。この時点で既に大量の時間を原因の究明に費やしています。

戯れに同じコードを別の製作中のページに貼付けてみると、ちゃんと動作しました。そのページはXHTMLではないHTML5のページだったので、jQueryやlightboxプラグインのドキュメントをあたり必須要件がHTML5なのかチェック、しかしながら特に指定はありません。

結局不具合の原因が何だったのかというと、

<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Transitional//EN" "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-transitional.dtd">
<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xml:lang="ja" lang="ja" dir="ltr">
<head>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=UTF-8" />
<meta http-equiv="Content-Style-Type" content="text/css;" />
<meta http-equiv="Content-Style-Type" content="text/javascript;" />

こんなに単純な事でした。本来Content-Script-Typeでtext/javascriptを指定しなければならないところを、上のcssの指定をコピーしてそのまま、Content-Style-Typeとしていたわけですね。
何故HTML5で無事に動いたのかというと、これらの部分が省略可だからでした。

つまりトラブルを一般化すると、SafariやChromeで動くJavaScriptがFirefoxで動かない場合、間違ったXHTMLの記述に対する、ブラウザの解釈の違いが原因である場合があるということです。
一字一句間違えてはならないDOCTYPE宣言についても、思わぬエラーの原因になりそうなものです。実際標準モードと互換モードでcssの解釈が異なるので、意図せず互換モードが呼び出され、jQueryでの表示不具合に直結している可能性があるのではないでしょうか。

毎度の事ですが、ニッチなエラーに足を取られ易い私の失敗談が、誰かの役に立てば幸いです。


console.logでJavaScriptの変数の中身を見る

JavaScriptのコーディング中、オブジェクトや変数の中身を確認したくなることは多々あります。PHPの場合であればprint_rやvar_dumpで間に合うのですが、JavaScriptの場合にはconsole APIに対応したブラウザで対話式にチェックを行うのが便利なようです。

具体的には、FirefoxにFirebugを搭載した状態もしくはSafari、Chromeなどのwebkitブラウザで開発メニューを有効化した状態にて、webコンソールあるいはwebインスペクタのコンソールの入力エリアに命令を投げ与えます。

console APIのコンソール

console APIのコンソール

変数やオブジェクトの中身を参照したいなら、console.log(対象);という命令を与えエンターを押すと、コンソール画面に表示してくれます。特に便利なのは、引数にjQueryのオブジェクトを与えても表示してくれるという点です。さらにwebkitのブラウザは至れり尽くせりで、jQueryのセレクタでヒットした要素をちゃんと入れ子状にまとめて表示してくれるので、この方法を知っているか知らないかで、jQueryでの開発効率は違ってくるはずです。

コンソールに投げられる命令は結構ありますが、オブジェクトのプロパティをリストアップしてくれるconsole.dir()なども便利そうです。
また、コード中の任意の場所で呼び出して、ブラウザのコンソールに任意の時点での変数の状態を吐き出させることもできるので、通常の標準出力のような使い方も可能です。

なんというか素晴らしい時代ですね。

(追記:IEではconsole.logの仕様に落とし穴があるようなので、こちらのエントリも参考に)